腹水ろ過濃縮再静注法(CART)

みなさん、こんにちは。とくしげ在宅クリニックです。
本日のテーマは腹水ろ過濃縮再静注法(CART)についてです。


腹水ろ過濃縮再静注法(CART)とは?

がんや肝硬変などによって腹腔内にたまった腹水を抜いて細菌やがん細胞を取り除いた後、有用なタンパク成分をろ過濃縮し点滴により再び体内に戻す治療法です。

一般的に腹水の治療は、安静臥床、食事療法、利尿剤等の薬の内服を行いますが、それらの治療を行っても改善しない腹水を難治性腹水といいCARTの対象となり、保険も適応されます。



CARTの特徴
・おなかが張った感じがなくなることで、吐き気や食欲不振などの消化器症状や、だるさ、息切れなどの自覚症状が改善します。

・アルブミン製剤と違い、自分の体内のアルブミンを補充するため未知の病原体に感染する可能性がありません。

CARTの副作用
 発症頻度は不明ですが、CARTを行うことにより以下の副作用が報告されています。
  発熱、悪寒、頭痛、溶血、血圧上昇、嘔吐、ほてり、呼吸困難、
  ショック等の異常

 


とくしげ在宅クリニックでは、在宅療養中の方にCARTを実施しております。
当院医師・スタッフだけでなく、訪問看護師さんや施設スタッフさんと協力体制をとり、在宅の場でも安心して治療を受けていただけるよう努めております。
病院への通院が困難な方、ご自宅での治療をご希望の方、ぜひお気軽にご相談下さい。



CART実施までの流れはだいたいこのような感じになります。

★医師による診察
  ↓  全身状態をチェックし、実施する計画を立てます。
★実施日時の設定
  ↓  クリニックで腹水穿刺、ろ過に必要な準備を整えます。
     ご家族、施設スタッフさん、訪問看護師さんと共に患者さん
  ↓  の体調を見守ります。
★当日午前 診察を行い、腹水を抜きます
  ↓   腹水の量にもよりますが、2時間前後かかる予定です
      その後クリニックまたは施設内にて機械によるろ過濃縮を
  ↓   行います。
★当日午後 濃縮した腹水を点滴にて体内に戻します。